RUN THE WORLD (GIRLS)

試写で、映画『あのこは貴族』を観た。原作を読んだことがあるもののうろ覚えで、勝手に「男を巡って女の子同士が争うのかな、精神削られそうで嫌だな」と思いながら観たら、まったくそんなことなかった。主要な女の子たち、誰も嫌なヤツじゃない。誰も嫌いになれない(中でも石橋静河演じる逸子は最高)。

どんな環境で育ってどんな人生を送っていてもみんな仲間(そりゃ歳の離れたおばさんやおばあさんを味方につけるのは時に難しいかもしれないけど)、こんなシスターフッドが見たかった!
去年『はちどり』や『82年生まれ、キム・ジヨン』を見て「女性監督による・女性が見て納得できる・女性の映画がちゃんと作られる韓国が羨ましい」と強く思ったけど、この映画は最後まで違和感を持たずにちゃんと納得できるものだった。そういう意味でも希望を感じる作品。作り手の方々にありがとうという気持ちでいっぱい。

 

ここからは少し話が逸れるけれど、田舎の嫌なところの描き方も見事だった。彩りに欠ける街並み、同窓会でバカみたいに騒ぐダサい奴ら、何も成し遂げてないくせにイキる弟。わたしが地元に帰るたびにストレスで具合が悪くなる理由が詰まってた。

ここ数年、映画やドラマを見ていると「父がいなくてよかった」と思うことが本当に多い。だって、父が母に対して偉そうな態度をとっていたり、当たり前のように家事を押し付けている姿を見たら、わたしはきっと本気でキレてしまうから。クソみたいな家父長制を目の当たりにせずにいられるのは、父や祖父がいないことの最大のメリットなのかも。ちなみにわたしの実の父は掃除や料理が得意なタイプで、家事に積極的だったけどね(もっと別の理由で離婚したのだろう)。

 

女の子たち、みんな一緒に自由に生きようね。わたしたちは何だってできる、どこへでも行ける。どうか他人に押しつぶされないで。世界中の女の子たちが自分自身を愛していられますように。いつだって祈ってるよ。